行政救済法(国家賠償)5

Aは、日本国籍を有しない外国人であるが、出生以来日本に居住しており、永住資格を取得している。Aは、その居住する地域に密着して暮らす住民であれば、外国人であっても地方自治体の参政権を与えるべきであり、国が立法による参政権付与を怠ってきたのは違憲ではないか、と考えている。判例では、国が立法を怠ってきたことの違憲性を裁判所に認定してもらうために、国家賠償法による国への損害賠償請求が行われることがあるが、最高裁はこれまで立法不作為を理由とした国家賠償請求は認容されないという立場をとっている。(平成23年出題)

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【解答】NO

 

まず、国家賠償法1条1項で規定された国や公共団体の賠償責任の範囲について確認します。

国家賠償法1条1項
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

つまり、国家賠償法1条の賠償責任には、公務員が作為義務を負いながら、適切に権限を行使しない――という不作為についても含まれていることになります。

 

最後に、国会での立法の不作為についての解釈を、判例【最大判平17.9.14】で確認しましょう。

判旨の概要は次のとおりです。

「国会議員の立法行為又は立法不作為は、その立法の内容又は立法不作為が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合や、国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり、それが明白であるにもかかわらず、国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合などには、例外的に、国家賠償法1条1項の適用上、違法の評価を受ける。」

つまり、最高裁は、ある一定の場合には、立法不作為による国家賠償請求を認めていません。

そこで、設問は、「立法不作為を理由とした国家賠償請求は容認されない」としていることは、間違っていることが分かります。

 

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