基礎法学5

日本国憲法は遡及処罰の禁止を定めており、法律の廃止に当たって廃止前の違法行為に対し罰則の適用を継続する旨の規定をおくことは許されない。(平成23年出題)

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【解答】NO

 

まず、遡及処罰の禁止についての憲法39条の規定を確認しましょう。

憲法39条

何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。

すなわち、刑事事件においては遡及処罰の禁止が規定されているので、設問前半は正しいことが分かります。

 

次に、ある法律が廃止された場合に、その法律が廃止されるまでの時点での違法行為が廃止後に発覚した場合を考えていきます。

刑事訴訟法337条を見てください。

刑事訴訟法337条

左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。

1 確定判決を経たとき。

2 犯罪後の法令により刑が廃止されたとき。

3 大赦があったとき。

4 時効が完成したとき。

 

つまり、337条2号で、犯罪後の法令により刑が廃止されたときは判決で免訴の言渡をしなければならないとしています。
ということは、設問後半の「罰則の適用を継続する旨の規定をおくことは許されない」という記述は正しいということになりますね。

しかし、その例外として、法令の有効期間が定められている限時法においては、失効する間際の違法行為は、有効期間中に処罰することは困難なので、特別の規定がなくとも失効後にも処罰できることが、判例において認められました。これを「限時法の理論」と言っています。

でも、これで問題が簡単に解決できるわけではありません。
といいますのは、この理論が認められるとしたら、有効期間前どのくらいまでなら認められるかと言えば、一概に決めることができないわけです。

したがって、近時の限時法の立法では、原則として「この法律の失効前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による」などの規定を定めた条文を入れておくことがなされています。

また、判例でも、このような規定が有効であることが認められています。【最判昭30.7.22、最判昭37.4.4など】

 

したがって、設問の「罰則の適用を継続する旨の規定をおくことは許されない。」というのは間違っています。

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