債権(売買契約)2

Aから甲建物を購入したBが、同建物の隠れた瑕疵を理由としてAに対して損害賠償を請求する場合には、瑕疵を発見してから1年以内にAに対して瑕疵の内容を具体的に明示しなくても、その存在を通知すれば、同請求権は時効により消滅することはない。(平成23年出題)

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【解答】NO

 

まず、売買契約の目的物における隠れた瑕疵に関する民法の規定を見ましょう。民法570条です。

民法570条

売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。

ここでいう「隠れた瑕疵」とは、取引上通常要求される注意をもってしても発見できない欠陥のことです。
 

次に民法566条の規定を確認します。

民法566条

1 売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。

2 前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。

3 前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。
 

つまり、ここで規定している瑕疵担保責任とは、具体的には損害賠償責任と契約解除のことです。そして瑕疵担保責任の期間は、瑕疵があるという事実を知ったときから1年内に行わなければならない――と規定されていますね。

そこで、ここまでは、設問の内容は正しいと言えます。
 

しかし、最高裁判例平成4年10月20日によれば、損害賠償請求権を保存するには、少なくとも、売主に対し、具体的に瑕疵の内容とそれに基づく損害賠償請求をする旨を表明し、請求する損害額の算定の根拠を示すなどして、売主の担保責任を問う意思を明確に告げる必要がある――とされています。

 

したがって、設問の「瑕疵の内容を具体的に明示しなくても」という記述は間違がっていることになります。

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