物権(占有権)1

A所有のカメラをBが処分権限なしに占有していたところ、CがBに所有権があると誤信し、かつ、そのように信じたことに過失なくBから同カメラを買い受けた。Bは、Cにカメラを売却し、以後Cのために占有する旨の意思表示をし、引き続きカメラを所持していた場合、Cは、一応即時取得によりカメラの所有権を取得するが、現実の引渡しを受けるまでは、その所有権の取得は確定的ではなく、後に現実の引渡しを受けることによって確定的に所有権を取得する。(平成23年出題)

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【解答】NO

 

設問のように「売却した後も引き続き占有を続ける」ことを「占有改定」といい、占有改定は、民法183条に規定されています。

民法183条

代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。

設問では、Bが代理人、Cが本人です。

 

次に、即時取得について考えてみましょう。民法192条の規定です。

民法192条

取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。

そして、占有改定による即時取得について、最高裁昭和35年2月11日の判例は、即時取得は、いわゆる占有改定の方法による取得をもっては足らないものといわなければならない――としています。

なぜなら、無権利者から動産の譲渡を受けた場合に、譲受人がその所有権を取得し得るためには、一般外観上、従来の占有状態に変更があるように占有を取得することが必要で、占有改定では、その状態に一般外観上は、変更がないからです。

 

したがって、「一応即時取得によりカメラを取得する」としている設問は誤っていることになります。

 

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占有については、第60回「占有権の取得と移転」を参照してください。

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