人権(人身の自由)1

日本国憲法は、基本的人権に関する総則的規定である13条で、国民の権利については「公共の福祉に反しない限り」国政の上で最大の尊重を必要とすると定めている。これは、それぞれの人権規定において個別的に人権の制約根拠や許される制約の程度を規定するのではなく、「公共の福祉」による制約が存する旨を一般的に定める方式をとったものと理解される。したがって、個別の人権規定が特に制約について規定していない場合でも、「公共の福祉」を理由とした制約が許容されるところである。

憲法36条は、「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と定めるが、最高裁判例は「公共の福祉」を理由とした例外を許容する立場を明らかにしている。(平成22年度出題)

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【解答】NO

 

日本国憲法36条は、大日本帝国憲法(明治憲法)下では、明文規定がなかったなどの理由により、公務員による拷問及び残虐な刑罰が、被疑者又は被告人から自白を得る手段として行われてきたという歴史的背景を踏まえて、「絶対にこれを禁ずる」と規定しています。

 

憲法36条

公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。

 

そして、これに関して「公共の福祉」を理由とした制限を許容する立場を明らかにした最高裁判例は存在しません。また、学説においても、絶対的禁止であり、「公共の福祉」による例外は許されないと解されています。

 

なお、憲法36条の規定の例外を認めるのではなく、ある行為が拷問及び残虐に該当するか否か――という論点で争った判例はあります。最高裁昭和23年3月12日の判決です。

判旨の概要は次のとおりです。

 

死刑は、窮極の刑罰であり、また冷厳な刑罰ではあるが、刑罰としての死刑そのものが、一般に直ちに残虐な刑罰に該当するとは考えられない。ただ死刑といえども、他の刑罰の場合におけると同様に、その執行の方法等がその時代と環境とにおいて人道上の見地から一般に残虐性を有するものと認められる場合には、これを残虐な刑罰といわねばならぬから、将来若し死刑について「火あぶり」「はりつけ」「さらし首」「釜ゆで」の刑のごとき残虐な執行方法を定める法律が制定されたとするならば、その法律こそは、まさに憲法第三十六条に違反するものというべきである。

 

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第26回「被疑者・被告人にも権利はあるの? その1」を参照してください。

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