債権(不法行為)2

Aの運転する自動車がAの前方不注意によりBの運転する自動車に追突してBを負傷させ損害を生じさせた。BのAに対する損害賠償請求権は、Bの負傷の程度にかかわりなく、また、症状について現実に認識できなくても、事故により直ちに発生し、3年で消滅時効にかかる。(平成24年出題)
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【解答】NO

 

この設問は、Aの前方不注意による事故、つまり、不法行為による損害賠償請求権の期間の制限についてです。民法724条の規定を見てみましょう。

 

民法724条

 

不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

 

この規定から、3年で消滅時効してしまうようにも解釈できます。

 

しかし、判例【最判昭42.7.18】では、不法行為によって受傷した被害者が、その受傷について、相当期間経過後に、受傷当時には医学的に通常予想しえなかった治療が必要となり、その治療のため費用を支出することを余儀なくされるにいたった場合、後日その治療を受けるまでは、治療に要した費用について民法第724条の消滅時効は進行しない――としています。

 

その理由は、被害者は、事故当時においては、必要がどうか分からない治療のための費用についての損害賠償を請求することはできない、つまり、損害賠償請求権の行使が事実上不可能です。そこで、その時に消滅時効が開始することになってしまうことは、時効の起算点に関する特則である民法724条の趣旨に反する結果を招くことになる――としています。

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