債権(賃貸借契約)1

Aが自己所有の甲建物をBに貸借した場合において、Bが甲建物のために必要費及び有益費を支出した場合、特約がない限り、Bはこれらの費用につき、直ちにAに対して償還請求をすることができる。(平成24年出題)
↓↓↓↓↓解答は画面を下へスクロール↓↓↓↓↓














【解答】NO

賃貸借契約において賃借人が賃貸人に対して直ちに請求できるのは必要費のみです。

賃借人による費用の償還請求について定めた民法608条を見てみましょう。

 

民法608条

 

一 賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。

二 賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第196条第二項の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。

 

まず、必要費については、直ちに償還請求できることを定めています。必要費とは、例えば、借りている家で雨漏りがする場合の屋根の修理費のように、その物を通常の利用に適する状態に保持するために使われる費用です。

 

一方、有益費の償還については、相当の期限内に償還するものとしています。有益費とは、他人の物を占有する者、この場合には賃借人がその物の客観的価値を増加するために支出した費用のことです。例えば、浄化槽を使って下水道処理をしていた家を賃借していた賃借人が、公共の下水道を使用するために支払った費用などは、賃貸借契約の終了後の賃貸人に対して利便を残すので。有益費に当たります。

 

 つまり、設問は必要費も有益費も「直ちに請求できる」としているので、NOということになります。

 

↓↓↓

第84回「賃貸借契約と問題点」で、賃貸借契約について解説しています。

ページ上部へ戻る