会社法(株式会社の設立)1

株式会社の設立において、発起人以外の設立時募集株式の引受人が金銭以外の財産を出資の目的とする場合には、その者の氏名または名称、目的となる財産およびその価値等を定款に記載または記録しなければ、その効力を生じない。(平成24年出題)
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【解答】NO

定款に記載する事項には、次の3種類があります。

1.絶対的記載事項:定款に必ず記載しなければならない事項で、記載ない場合は定款自体が無効となります。 

2.相対的記載事項:定款に記載しなければ効力を持たない事項で、このうち、特別な手続きが要求されているもの(例えば、裁判所の選任した検査役の調査など)を変態的設立事項という。 

3.任意的記載事項:会社の規則等で規定しても効力を有するが、明確にしておくという趣旨で法に違反しない限りで定款に記載される事項です。

 

設問の「金銭以外の財産を出資の目的とする場合」は、いわゆる現物出資のことで、これは2の相対的記載事項(変態設立事項)に該当します。

 

次に、会社法28条を見てみましょう。

 

会社法28条

 

株式会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第26条第1項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。

一  金銭以外の財産を出資する者の氏名又は名称、当該財産及びその価額並びにその者に対して割り当てる設立時発行株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、設立時発行株式の種類及び種類ごとの数。第33条第1項第一号において同じ。)

二  株式会社の成立後に譲り受けることを約した財産及びその価額並びにその譲渡人の氏名又は名称

三  株式会社の成立により発起人が受ける報酬その他の特別の利益及びその発起人の氏名又は名称

四  株式会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除く。)

 

この条文1号の規定により、「定款に記載または記録しなければ、効力を生じない。」という設問を見ると、正しいことが記述されているように見えますね。

 

しかし、会社法第34条1項により、会社設立時において、現物出資を行うことができる者は発起人のみであることが分かります。

 

会社法34条1項

 

発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない。

 

つまり、発起人以外の現物出資を前提としている設問は、間違っていることになります。

 

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第150回「会社の概念と株式会社の設立」を参照してください。

 

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