物権(相隣関係)1

甲土地を所有するAは、甲土地に隣接するB所有の乙土地を通行しているが、甲土地が乙土地に囲まれて公道に通じていない場合、AがBに対して囲繞地通行権を主張するためには、Aは甲土地の所有権の登記を具備していなければならない。(平成24年出題)

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【解答】NO

袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者ないし利用権者に対して、囲繞地通行権を主張することができます。

 

囲繞地通行権とは、民法210条1項に規定されている「他の土地に囲まれて公道に出られない土地」のことです。民法210条1項を見てみましょう。

民法210条1項
他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。

この条文により、土地に囲まれて公道に出られない土地の所有者は、公道に出るために他の土地を通行できることは分かりましたね。

次に考えなければならないのは、この場合に、土地の所有者と認められるには、登記が必要か――です。

民法には、こんな条文もあります。


民法177条
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成16年法律第123号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

ということは、登記が必要なのでしょうか?

しかし、判例は、袋地の所有権を取得した者は、所有権取得登記を経由していなくても、囲繞地の所有者ないし利用権者に対して、囲繞地通行権を主張することができる――としています。

囲繞地通行権を認めている法の目的は、相隣関係にある所有権共存の一態様として、囲繞地の所有者に一定の範囲の通行受忍義務を課し、袋地の利用の便宜を図るためのものであって、不動産取引の安全保護をはかるための公示制度、つまり登記とは、関係ない――としているのです。昭和47年4月14日の最高裁判所の判例です。

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第61回「所有権はどういう権利か」に関連のテーマが記載されています。

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