第175回 文章理解

  長きにわたる行政書士試験のための勉強も、今回が最終回となりました。最終回のテーマは文章理解です。文章理解とは、評論家が執筆した文献の一部を素材として、要旨把握能力、論理的思考力――を問うものです。

  行政書士講座

行政書士試験の中で、文章理解の問題は例年3問が出題されています。一般知識の合格基準点は6問以上正解――となっているので、文章理解で得点できるかどうは合否を大きく左右します。  文章理解の問題は、大きく①要旨把握、②並べ替え型、③空欄補充型――の3パターンに分けることができます。①要旨把握はさらにa要旨把握型、b下線部説明型、c内容不適合型――に分けられます。

それぞれのパターンごとに解答の手順と解法のテクニックを紹介します。

Ⅰ.要旨把握

1.要旨把握型

  要旨把握型問題とは、問題文を読んで筆者が最も強調しようとしている意見を読み取る問題です。一見客観的な事実を説明しているように読める文章でも、その構成をつかむことで、筆者が最も述べたい意見を読み取ることが可能です。

  文章の構成には、次の3通りが考えられます。

①頭括型: 主題 → 説明・事実・具体例

②尾括型: 説明・事実 → 主題・結論

③双括型: 主題 → 説明 → 主題 → 結論

要旨は、主題の述べられている箇所に存在します。

  次に具体的な解答のテクニックをお話しします。

1)筆者の意見の中心部分が述べられている箇所を探す

     ・具体例の説明と筆者の意見を区別する

     ・文章の最初と最後に注目する

     ・文末が「考える」「思う」「~ねばならない」「~であろう」となっている文に注目する

     ・逆接の接続後に注意する

2)要旨を把握する

     ・繰り返し使われているキーワードに着目する

     ・出典はテーマをつかむ手掛かりとなる

3)要旨に適合する選択肢を選ぶ

     ・誤りの選択肢を消去する

     ・正しいと思った選択肢が複数あったらそれぞれを比べてみる

  以下は、上記の手順で答えが絞れなかった場合の作戦です。

★キーワードが含まれている選択肢は正解である可能性が高い

★出典中のキーワードが本文の主題であることが多い

★問題を提起している文中に筆者の問題意識を示すキーワードがある可能性が高い

★キーワードを示すために強調的な表現を用いることがある

   【例】これこそが○○である

      もっとも着目すべきなのは、○○である

      ○○の重要性を再認識すべきである

      どうして○○なくしていられようか

      私は○○の力を信じる         (○○がキーワード)

  また、誤りの選択肢の消去には、次の5つの方法があります。

①本文の論旨の前提にすぎないもの

②本文の論旨の延長線上にあるもの

③本文中の語句や表現を用いてはいるものの、本文の論旨に適合しないもの

④本文にはない、強調的で極端な言い方をしているもの

⑤その選択肢だけを読めば一般論として正論でも、本文ではまったく触れられていないもの

2.下線部説明型

  下線部説明型の問題は、本文の特定箇所にある下線部の内容を問う問題です。下線部の前後に下線部の言い換え表現のあるなしで解答のテクニックが異なります。

  言い換え部分のある場合は、①下線部の言い換え部分の意味をできるだけ詳細に把握する、②各選択肢を検討し、言い換え部分に最も適合するものを選ぶ(その際、誤りの選択肢の消去方法を応用する)――ことで解答を導きます。

  言い換え部分のない場合は、要旨把握の手順で解答します。

3.内容不適合型

  内容不適合型とは、本文の内容に触れた肢について、その正誤を問う問題です。解答のテクニックは、次のとおりです。 

①最初の通読には時間をかけず、選択肢を検討する際に時間をかけて精読する

②検討する時間が不足しているときは、各段落の最初と最後の文章を優先的に読んでいく

③長文問題の場合は、最初に通読する際に、各段落のキーワードにアンダーラインなどの印をつけておく

④選択肢に該当する本文の箇所を丁寧に読み、選択肢に本文と異なる点が1カ所でもないかを見逃さないようにする

⑤誤りの消去方法を応用する

 

Ⅱ.並べ替え型

  並べ替え型の問題は、文を並べ替えて正しい文章を完成させる問題です。次に、解放のヒントをいくつか紹介します。 

①先頭に来る文を見つける。(接続詞や「これ」「あれ」などの指示語が先頭にある文は、先頭に来ないことが通常です。)

②グループ化する。(ある文とある文に共通の語句、同義の語句がある場合は、それらの文は順はともかくつながる可能性が高いと言えます。)例えば、A文中に「明治時代に言文一致という運動があった」、C文中に「言文一致とは、話し言葉に近い言葉で文章を書くことだ」とあったとすると、順番はともかくAとCはつながる可能性が高い、つまり一つのグループにできます。

③文頭に接続語がある場合、その接続語はどの文を受けて書き出したかを考えてみる。例えば、E文「私は、昨夜寝られなかった」F文「それは、気温が高かっただけではない」とあったとすると、F文はE文関連の文と考えられ、ここでもグループ化ができます。

④指示語の指示する内容を含む文は、指示語を含む文の直前に来る可能性が高い。例えば、B文「グループの中で意見がぶつかったとき、よく使われる解決方法は多数決である」、D文「これが民主主義の原点である」とあったとすると、D文中の「これ」は、多数決を指すものと考えられます。つまり、BとDのグループ化ができます。

⑤選択肢を最大限に利用する。(配列がある場合は、それ以外の組み合わせがないので、検討する範囲が狭くなります。完全に違う選択肢は消去して、余分な手間をかけないように注意しましょう。)

Ⅲ.空欄補充型

  複数の空欄に語句を補充する形式の問題です。補充する順序にこだわらず、語句を入れやすいもの、分かったものから当てはめていき、選択肢を縛りこんでいくのが効率よい解き方です。

  補充すべき語句が複数ある場合は、最初に選択肢を検討してから入れましょう。選択肢を検討することで、①補充すべき語句のイメージがつかみやすくなる、②選択肢に挙げられてない語句については、その空欄に入るかどうかの検討の必要がなくなる――などのメリットがあります。

行政書士講座

ページ上部へ戻る