第144回 商法・会社法って何?

  さて、行政書士試験のための勉強もいよいよ商法・会社法に入りました。

商法や会社法は、いわば商売のプロに適用される法律です。企業間の取引では、民法で想定されている個人的な取引とは異なり、定型的な仕事が継続的に反復して大量に行われます。そこで、商取引の特性に応じて合理的な取扱いを定めたルールが商法や会社法です。言い換えれば、商法や会社法は、民法の特別法として、商売を行っていくうえでのルールです。

  実は、商法、会社法はともに、平成18年に大改正されました。また、行政書士の業務としても会社設立などの場面で重要な地位を占めます。

行政書士講座

Ⅰ.民法との関係

  まず、皆さんが今まで学習してきた民法と商法の関係をお話しします。

  法律は大きく分けて公法と私法に分けることができるのは、皆さんご承知のとおりです。そして、私法の原則となっているのが民法です。私人と私人との関係では、原則として民法が適用され、民法によって規律されています。
例えば、知人から、いらなくなった車を譲り受ける場合は、民法のルールが働いています。

  しかし、友人から譲り受ける場合ではなく、ディーラーから買う場合はどうでしょう? 
友人との取引は、利益を上げることが第一目的ではありませんでした。これに対して、ディーラーは、利益を上げることを目的として、取引は反復的・日常的に行われ、取引される数も大量です。

ですから、友人となら契約を書面でなく口約束で、支払いもある時払いでも、お互いが承知していればOKですが、ディーラーとはそうはいきませんから、取引の事情は明らかに異なりますね!

  つまり、一般の人の取引を想定した民法では、企業取引の場面では不都合が生じることになります。そこで、企業取引をうまく処理できるように決められたのが、商法や会社法です。企業を巡る関係については、民法でなく、商法や会社法が優先して適用されます。商法や会社法は、民法の規定を修正したり追加したりして作られています。したがって、企業を巡る関係では、まず、商法や会社法を適用します。そして、商法や会社法に規定がない事項については、民法が適用されます。

  民法のような原則規定を一般法、商法や会社法のようにある特定の領域や対象について優先して適用される法律を特別法と言い、特別法は一般法に優先します。

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Ⅱ.商法と会社法の関係

  次に、商法と会社法の関係を見てみましょう。先ほどの続きを言えば、会社法は商法の特別法に当たります。したがって、会社を巡る関係では、会社法に規定のある事項については、まず会社法を適用し、会社法に規定がない場合に商法を適用し、商法にも規定がない場合は民法を適用します。

  商法と会社法の一番の違いは、法律行為の当事者が会社法では会社なのに、商法は会社に限らないという点です。

商法144-1

 

Ⅲ.学習のポイント

  2006年に、商法、会社法は大改正され、2006年から始まった行政書士試験の新試験制度では、商法・会社法の出題が倍増しました。しかも、会社法からの出題が8割です。


  商法の出題ポイントは、①総則と②商行為です。
総則では、商人、商業登記、商号、商業使用人を、商行為では、商行為概念を中心に勉強します。ここでは、民法との違いが大きなポイントと言えますので、違いを意識しながら勉強しましょう。

  続いて、会社法です。

  皆さんがこれから新しいビジネスを始めることを想像してみてください。もちろん個人ですることも可能ですが、個人で行うには様々な限界やハンデがありますね。すると、会社という形態が必要になってきます。
例えば、儲かるかもしれないけれどリスクも高い事業を1人で行おうと思えば、失敗した場合にそのリスクは1人で被ることになりますが、出資者を多数募れば、リスクの分散ができます。

そこで、旧商法の会社の部分を核に、全面改正、制定・施行したのが会社法です。商法から切り離されて、分かりやすくなったとはいえ、1000条近い条文がある法律です。そこで、的を絞って無駄のない学習が必要です。

  ボリュームのある会社法の中の中心は、何と言っても株式会社です。行政書士試験でも、株式会社の設立・機関等に関する知識は毎年出題されていますから、最優先して覚えましょう。
この際、皆さんが自分で起業することを仮定して、勉強していってください。自分が会社を作るとしたら、まず、最初にしなければならないことは何か…。どのような手続きが必要で、どのような部署を作るのか(機関設計)…と、イメージしながら一つひとつを覚えていってください。

  もう一つは、事業がうまくいかなかった場合も想像してみましょう。つまり、会社の解散・清算も学習のポイントです。

  つまり、会社を作ることから、会社がなくなるまでをおさえることが必要と言えます。

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