第91回 親族の範囲

  これから、9回にわたって民法の親族編を学んでいきます。親族編では、いわゆる家族を民法的に捉えて解説しますが、婚姻、親子、親権、後見、扶養――といった身内のことの話なので、理解しやすい内容と言えます。

  親族編1回目は、親族という概念をつかみましょう。

民法91-1 

  私たちが普通に生活していく上で、基盤となっているのは家庭、家族、そして親戚です。民法では、こうした家族や親戚関係についてのルールを定めて、万が一、紛争が起こった場合の解決の基準を示しています。
 

1)民法における親族とは

  親族の定義は、

①6親等内の血族

②配偶者

③3親等内の姻族――です。

  ②の配偶者は比較的使い慣れた名称で、夫や妻のことと分かりますが、血族、姻族、親等は日常ではあまり使わない名称ですね。

まず、血族とは、父、祖父、兄弟などのように親子関係を辿るとつながる関係です。

血族には、

①出生による親子関係でつながっている自然血族

②養親子関係を含める法定血族――の2種類があります。

次に姻族とは、

①自分の配偶者の血族

②自分の血族の配偶者――のことです。

  そして、親等とは自分とどれだけ離れた関係にあるかを表す単位です。1つの親子関係を1単位として捉えます。
例えば、父や母、子は1つの親子関係なので1親等、兄弟の場合は共通の親から2つの出生で生まれた関係なので2親等――という具合になります。

一方、夫と妻の両親どうしや、兄弟の妻どうしなどの関係は、日常的には交流があっても親族には含まれません。
 

2)親族関係の効果

  親族であることによる効果はいろいろあります。夫婦や親子などの親族の中でも特別近い関係は後述することとし、ここでは、一般的な親族関係の効果についてお話しします。

  親族一般の権利は主に3つ、

①親族の婚姻・養子縁組の取消請求権

②親権等の喪失・取消請求権

③後見人等の選任・解任請求権――です。

  そのほか、親族の中でも一定の範囲の人に与えられる権利があります。
例えば、子・直系尊属・兄弟姉妹(けいていしまい)・配偶者の相続権です。一番重要であり、紛争の元となったりする権利ですね。

民法91-2

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