第69回 担保には実務上から生まれた非典型担保もある

  今回は、民法に規定されていない現実的な担保を解説したあと、少し行政書士試験に向けた実用知識の紹介をします。

民法69-1

  民法に規定された担保以外にも現実には多くの担保方法が存在しています。こうした担保手段を非典型担保と言います。

現実には実務上、民法では動産抵当を認めない、民法上の担保は実行手続きが煩雑なのに安価な価値しかないなどの理由から、長年にわたり次々に法の予想しない方法で担保を作り出されてきました。

  非典型担保の代表には、

①仮登記担保

②譲渡担保

③所有権留保――がありますが、そのほかにも

④相殺予約

⑤代理受領

⑥ファクタリング――等々種々のものが存在します。

ここでは、3つの代表についてお話ししますが、この3つの担保方法が、民法上の担保と異なる点は、担保権者が担保目的物の所有権を取得、あるいは移転すべき所有権の留保が行われていることです。

 

Ⅰ.譲渡担保

  譲渡担保とは、債権担保のために物の所有権を債権者に譲渡することによって信用授受を得る制度です。債務者が被担保債務を弁済した場合は、目的物の所有権は債務者の元に戻ります。弁済をしなかった場合は、譲渡担保権者が譲渡担保権を実行します。

  譲渡担保権の実行の方法は、

①第三者に売却してその代金から優先弁済を受ける処分清算

②譲渡担保権者自ら所有権を取得し、超過額を債務者に返還する帰属清算――があります。

  いずれの場合も、債権者が超過額まで取得するのは不当であることから、債権者には清算義務があります。

 

Ⅱ.仮登記担保

  貸金債権を担保する目的で、債務者または第三者所有の不動産について、代物弁済予約や停止条件付代物弁済契約を締結し、所有権移転請求権保全の仮登記を行って、貸金債権の弁済が得られない場合には、その不動産自体を代物弁済として取得できる権利を確保する方法仮登記担保です。

  仮登記担保については「仮登記担保契約に関する法律」が制定され、債権者には清算義務が規定されています。

 

Ⅲ.所有権留保

  所有権留保とは、売主が目的物の引渡しを終えても、売買代金が完済されるまで目的物の所有権を売主の下に留保しておく制度です。
よく見られる例は、乗用車などの割賦払売買契約です。

民法69-2

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