第5回 憲法とは何か

  さて、第5回から憲法の勉強に入ります。行政書士試験では、憲法の問題の出題率は、さほど多くはありません。でも、憲法は最高法規であり、これから学ぶ民法や行政法などのいかなる法律も憲法に反することはできず、いかなる法律でも憲法は改変できない、とされています。つまり、どんな法律でも憲法違反(違憲)ではないということが基本なのです。

そこで、憲法のポイントはしっかり押さえることが大切です。それでは、①憲法と法律の違い、②憲法の学問上の分類――と、話を進めていきます。

 

 

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Ⅰ.憲法と法律の違い

  まず、憲法と法律の違いとは何でしょう? と聞かれて、即答できる方はかなり法律に詳しい方と言えます。

憲法も法律も、どちらも行為をしばるルールです。でも、実は、決定的な違いがあるのです。その違いとは、憲法は国家権力をしばるルールで、法律は国民をしばるルールということです。

憲法とは?と聞かれたら、「憲法は、国、つまり権力者が自分に都合よい法律を勝手に作って、国民に不利益を与えないために定められたルール」と答えてください。

 

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Ⅱ.憲法の学問上の分類

憲法5-1

  憲法とは何かについて、憲法学という学問上分類すると、大きく①事実的意味の憲法、②法的意味の憲法――に分けることができます。
事実的意味の憲法とは国家の政治的統一体の構造や組織を指し、法的意味の憲法とは国家の基本法・根本法を指します。通常日本では、憲法は法的意味の憲法(国家をしばる法典)を指し、事実的意味の憲法のことを国政や政治体制と言っています。

  そして、法的意味の憲法は、さらに①形式的意味の憲法と②実質的意味の憲法に分かれます。これは、ドイツの通説を受けたものなのですが、もっとも一般的な分け方です。

形式的意味の憲法とは、表記によって憲法かそうでないかを区別するもの、すなわち、その内容は問わず、憲法という形式を与えられた成文法(憲法典)そのものを指します。これは、もう一つの分類の実質的意味の憲法に対応して名づけられた名称です。そして、第二次世界大戦後に独立した国の多くは、成文憲法を持っています。

一方、実質的意味の憲法とは、特定の内容を持った法を指し、明文化されているか否かは問いません。

さらに、実質的意味の憲法は①固有の意味の憲法と②立憲的意味の憲法とに分かれます。 

固有の意味の憲法とは、国家統治の基本となる法規範のことです。国家は、どのような社会で、どのような経済構造をとる場合であっても、必ず、政治権力とそれを行使する機関が存在しなければなりません。この場合に、国家機関や権力組織が相互に作用し合う関係を規律する規範が必要で、この規範を固有の意味の憲法と言います。

ですから、国家があるということは、いつの時代でも、どこの国でも、固有の意味の憲法は存在すると言えるのです。

一方、立憲的意味の憲法とは、自由主義に基づいて定められた国家の基礎法のことです。権力を制限して、自由を中心とする国民の権利を保障する立憲主義をとり入れた憲法は、国民の自由の保障に奉仕すると言えます。これがまさに、憲法は国家権力をしばるルールと言われる所以で、立憲的意味の憲法が、憲法の最もすぐれた特長と言えるのです。

  そして、憲法を違った観点から分類すると、①硬性憲法、②軟性憲法――に分けることができます。

硬性憲法とは、改正を行う際には、憲法より下位の法律よりも厳格な手続きによらなければならない憲法のことです。

一方、軟性憲法とは、通常の法律改正と同様の手続きで改正できる憲法のことです。

 

  ところで、これから皆さんが学ぶ日本国憲法はどのような憲法かと言うと、日本国憲法として明文化された形式的憲法であり、実質的憲法でもあります。

さらに、回を重ねて、一つひとつの条文について見ていくと固有の意味の憲法でもあり、立憲的意味の憲法でもある実質的憲法であることが、分かってくると思います。

もう一つの分類でいえば、憲法改正の手続きは通常の法律改正より厳しい硬性憲法です。

憲法5-2
行政書士

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